日本を取り戻す?

帝京大学志方俊之教授がWEBの「正論」で、中国は「力の政策」を続けている限り、経済成長に支障が出る。平和憲法にしがみつくのを止めて、米国の「核の傘」を確実にする事、通常戦力の米国への依存を最小限にする事、そのための憲法改正の行程表を作成する事を新政権に要求していた。そしてこれが「勇気を持って日本を取り戻す」と言う事のようだ。
右傾化とされる安倍政権の背景には、このような論理が横たわっているのであろう。感情的なナショナリズムに押し流されそうだが、軍事的衝突のリスクを冷静に考えてみる必要があろう。「中国は戦争で10分の1の国民が亡くなっても困らない国」だと石原慎太郎氏は看破しているが、日本はそんなリスクは負えない。おまけに海岸沿いに多数の無防備な原発が並んでおり、攻撃されれば日本壊滅のリスクもある。また米国の核は、米国が必要とする時にのみ使用されるものであり、「核の傘」をより確実することは、今以上に米国への属国化を意味する。平和憲法にしがみつく必要は無いが、今までも、そしてこれからも果たすであろう9条の役割は冷静に議論し検証する必要があろう。
「日本を取り戻す」と言う場合、一体日本の何を失ったと考えるのであろうか?
今日の一句「冬されや 犬もこたつで 丸くなり」