柏の葉キャンパス

つくばエクスプレスで「柏の葉キャンパス」なる駅に初めて出向いた。多分この駅ができるまでは何も無いところであったろう。駅前には新しい洒落たショッピングセンターがあり、近くにはいくつものマンションが立ち並んでいる。通りの向かい側には広々した千葉大学のキャンパスがあり、その向こうには防衛庁の研究所と東京大学のキャンパスがあるそうだ。緑豊かな平地が遠くまで広がっている。坂道がないので足腰の弱った人や車いすの人には、買い物も公園散歩も、はたまた東京へ出かけるのも便利なことであろう。
今回は、千葉大学のキャンパス内にある診療所の所長から生活習慣病予防への漢方の活用についてお話を伺った。病人の治療というより病気になる前の段階である「未病」患者の発病予防としての意義を強調されていたように思う。有効性の評価やら特定保健用食品やいわゆる健康食品と称される医薬品まがいの品との違いが今一つ分かりにくかったが、漢方薬の秘めたる効能の検証は、古くて新しい研究課題だと言えよう。講義の後、薬草園や付属果樹園などを拝見した。
今月の俳句会の兼題は、「萩の花」だそうだ。萩は万葉の時代から日本人に親しまれた花で、秋の七草のひとつであるが、萩は草ではなく木である。湯浅浩史著「植物と行事」によると、万葉集で憶良は七草ではなく七種(ななぐさ)と記しているそうで、これなら萩が含まれていてもおかしくはない。日本を代表する花は、春は桜、秋は萩ということになろうか。桜同様、零れ落ちた花が手入れの悪い庭に彩を添えている。
今日の一句「庭草に 散りばめられたる 萩の花」