安全と安心

6日の朝日新聞の社説「食品の放射能 安全・安心につなげよ」を読んだ。いつも気になる事ではあるが、安全と安心とがごちゃまぜに議論されている。
安全か否かは、科学的根拠に基づく判断であり、リスクを伴う。リスクは許容できるものとして社会に受け入れられたものである。従って絶対事故がないと保障されたものではないが、我々は飛行機も自動車も利用している。他方、安心か否かはその人の感情による。安心できないので飛行機には乗らないという人もいるし、運転免許を持たないという人もいる。
安心に拘ると、規制は厳しくなる。米の作付け禁止やヒラメも規制が強化されるようだが、我々の許容限度をどの辺に置くべきかは、広範な議論がなされるべきであろう。
人々を安心させるかどうかは、専門家や行政もさることながら、マスコミの影響力も大きい。前日、5日の夕刊では、一面トップに『修学旅行先「安全ですか」日光での線量検査 保護者が要請』と4段抜きの大見出しが出ていた。測定結果は、市の基準に照らし問題なかったそうだが、保護者の不安をあおる記事だと言えよう。
科学的根拠がないのにテレビ番組で「XXXが○○に効く」と放送されて翌日スーパーで売り切れ続出となった際の「マスメディアに踊らされるあわれな一般市民」という言葉を思い出した。風評被害の大半はマスコミの扱いで左右される。
今日の一句「放射能 安心求め 冬籠り」