築地から豊洲へ

やっと豊洲への移転が始まったが、新聞の見出しは、ネズミの大群の拡散をどうくいとめるか、建物を壊すにあたってのアスベストの飛散対策は大丈夫かという指摘である。
逆に言えば、築地はネズミの巣窟であり、アスベストで覆われている危険な建物を意味しているということになる。
永年築地に関わってきた方には去りがたい思い出が多々あろう。あるいは豊洲のモダンな施設に戸惑いもあろう。しかし安全・安心を理由に移転が引き延ばされてきたことについては、何とも解せない思いである。
築地が薄汚い不衛生な市場だとのレッテルを張られる前に、移転できたことを良しとすべきであろうが、移転が伸び伸びとなったことの無駄はどう理解すべきであろうか。最近話題の民主主義に内在する不合理な一面を象徴しているといえようか。
今日の一句「去りゆくを 見送る野辺の 萩の花」