ケヤキ

小塩 節氏の「木々を渡る風」を読んでいて、隣家のケヤキの大木を思った。隣も私が今の家に越してきたすぐ後に来られたから、庭の真ん中に植えられたケヤキは、樹齢40年余りであろうか。秋は落葉前の色づいた葉が美しく、冬はすっかり葉を落としてはいるが真っ直ぐに伸ばした枝が雄々しく、そして春の新緑が風に吹かれて気持ちよさそうである。我が家の居間からは緑の屏風のように、花をつけた海棠や雪柳を盛り立ててくれている。
小塩氏によると、ケヤキは日本全国どこにでもある日本を代表する木だそうだ。ケヤキの漢字表現である欅は、『枝を伸ばし、腕を挙げ、志を挙げている』と読み解いている。
隣家のケヤキを眺めていると、名にたがわず励まし、元気づけられるような気がする。
今日の一句「若葉揺れ 春たけなわの ケヤキかな」