夜はまだあけぬか

梅棹忠夫氏の「夜はまだあけぬか」を読了した。国立民族学博物館の初代館長である梅棹氏は64才で神経を侵され失明するが、この本は突然の失明の状況と失明に抗して執筆活動を続ける生々しい記録である。秘書や有能なスタッフの協力を得ることができた彼の身分と恵まれた環境に依るともいえるが、健常人が突然失明する事態となっても、なおこれほどまでに冷静に自らの日常を記録していることに感動を覚える。この本は失明者に大きな励ましを与えたことであろう。
今日の一句「冷え込みて 思い浮かぶは おでん鍋」