トンビに襲われる

相変わらず気温が低く、道路脇に積み上げられた雪がまだ融けきらない。しかし日差しは穏やかなのでトレッキングシューズを履いて長柄古墳から長柄橋まで歩く。思ったほど山道は雪も無く、坂道は水はけが良く乾いていて歩きやすい。逗子海岸近くのなぎさ橋珈琲で一服することにした。
少し寒いが遠く江ノ島を眺めながらのコーヒータイムも悪くなかろうとテラスに席を取ったのは良かったのだが、運ばれてきたケーキ、一瞬の隙にトンビに持って行かれた。まさに目にも留らぬ早業である。羽ばたく音は聞こえたが、テーブルのコーヒーをひっくり返すこともなく、また目の前に座っているこちらの体に触れることもなく、ケーキだけをかっさらって行った。多分、狙いを澄まして羽をたたんで突っ込んできたのであろう。気が付いたら数十メートル先を遠ざかっていく。敵ながらあっぱれと言う他はない。
お店の人が室内に席を案内してくれて、あらためてケーキを用意してくれたが、あの様子だとトンビに襲われた人は他にもいたであろう。
今日の一句「猫柳 トンビの羽音に いすくみて」