美しい種

カナダの分類学者アーニー・スモール氏が美しい種の保護に偏る野生生物保護に警鐘を鳴らしているとのレポート記事があった。人気のあるクジラには手厚い保護がなされるが、嫌われる蛇やクモなどの絶滅危惧種は軽視されている。結果として生態系が人為的に変わってくる事から生物多様性を守ることが難しくなると懸念している。
しかし、人類は好ましくない、利益を生まない種を淘汰することで繁栄し、まるで癌細胞のごとく地上に増殖してきた。人類が生物多様性を口にするのは、あくまでも人類にとって必要だと判断しているからである。生態系の頂点に立つ人類は自らの繁栄のために自然を作り変えてきたし、これからも野生生物保護は人類の利益に合致するか、人類の利益を損なわない範囲で行われるであろう。結果としてこの分類学者が懸念するように「人間の好みを反映した自然が形成される」であろうが、これは人類にとって好ましくない現象だとする根拠は何であろうか。
今日の一句「雑草も 存在誇示する 五月来る」