内部告発

企業などでの反社会的行為をいさめるのに、内部告発は重要な役割を果たしている。違法な行為は隠し通せるものではないし、露見した時の影響は会社の存亡を揺るがせるようなことにもなる。
しかし、時の公的な権力者が意に従わぬ弱者の摘発に利用するとなると問題である。企業でも部下がさぼっていないかと疑いの目を向け監視のために社員同士で通報させるとなると、社内の組織はがたがたであろう。大阪市長選に絡んだ告発事件は、ねつ造が発覚して大阪維新の会の勇み足が話題になっているが、君が代斉唱における口元監視ともども不快の一語に尽きる。
権力者が自分の意にそぐわない者を叩くのは当然といいたげな橋下市長だが、市長にとって都合のよい部下で固められた組織が果たして市民にとっても良い組織と言えようか。反対意見の無い組織、異論の出ない会議など進歩発展には有害無益である。
こんな組織なら権力者におもねる輩が、出てきてもおかしくは無い。ねつ造事件は起こるべくして起こった事件と言えよう。
今日の一句「不心得 諌めるかのよう 黄水仙