小麦アレルギー

「茶のしずく石鹸」に含有されていた加水分解小麦が原因かと思われるアレルギー患者が急増している。
食品衛生法では、えび 、かに、卵、小麦、そば、落花生 、乳などを含む加工食品については、アレルギー症状を引き起こす可能性のある人たちが誤って口にせぬように成分表示を義務付けている。しかし健常な大人にとっては、これらは大事な食材であり、アレルギー発症のリスクを懸念して食べる事を抑制してはいない。
今回注目されるのは、「もともとアレルギー体質のない健康な人が『茶のしずく石鹸』を使用したために新しく小麦アレルギーを発症してしまう」と国立病院機構相模原病院の福冨友馬氏が述べている点である。福富氏は「化粧品や石けん由来の加水分解小麦による食物アレルギーの発症は予想されてこなかった」と述べているから、まさに想定外の事件と言えよう。
『茶のしずく石鹸』のみが話題になり、製品回収や訴訟が話題になっているが、加水分解小麦は化粧成分として「保湿、乳化安定」目的に広く使われている。厚生労働省は、昨年10月「加水分解コムギ末を含有する医薬部外品・化粧品の使用上の注意」を通達している。
この件は『茶のしずく石鹸』固有の問題であるかのように扱うべきではない。
今日の一句「晴天の へきれきもたらす 積乱雲」