多元的見方

6月11日の朝日新聞「私の視点」欄で国際エコノミストである斉藤進氏が具体的な数字を挙げて、「原発がすべて停止・廃止されても問題ない」としている。ところが、6月17日の朝日新聞では、中部電力の社長は「原子力の重要性は変わらない」と述べているし、同じ日の社説でも「電力の原発依存から脱却すべきだが、代替電力の準備が整わないと日々の生活や経済活動に影響が生じる」と書いている。「原発なき電力供給に問題あり」の立場である。
お互い顔を合わすことなく、それぞれの立場からの一方的な発言であり、どちらが正しいのかよくわからない。以前にも触れたが、環境省は「風力発電の普及により原発40基分の発電は可能だ」と試算しているそうだが、議論の俎上に上がってはいないようだ。
6月15日の朝日新聞社説では、「もっと議論を重ね、もっと発言していくことが大事」だと、極めてまともな意見を述べている。そして、16日の朝日新聞「耕論」で東京大学の城山英明教授は「党派性を離れた多様な議論が出来にくくなっている」ことに懸念を示し、「多元的なものの見方を確保すべきである」としている。
さまざまな意見や提案を検証し、議論を深めていきたいものである。
今日の一句「青嵐や あっち向いてホイ かみ合わず」