政府も頭から腐る

6月14日の朝日新聞の経済気象台なるコラムで、執筆者は「管政権は不合格点がつけられているのに続投を支持する世論調査の結果が出たのは、誰がやっても同じだという通念によるものであろう」とした。他方で、富山和彦氏の「会社は頭から腐る」なる著書を引き合いに出し、今回の大震災にあたっては、トップである腐った頭を取り換えるべきで、その点内閣不信任は正しいと論じていた。
しかし、新鮮な頭の中に腐った頭が混じっているなら、取り換えるべきであろうが、腐った頭ばかりで、誰も「明確な政策」を示していない以上、コラムニストのように「腐っていない頭を切に願う」気にはならない。富山氏の言う腐った頭は、社長ではなく経営陣を差しているように思える。危機に瀕した時に首のすげ替えに汲々としている現状は、為政者全体が腐っていると見るべきであろう。
平時に限らず「日本人特有の現場力が破綻なく進行する」であろうから、世論調査の結果に反映された日本人の通念は冷静で正しい判断だといえよう。コラムリストの言うように「内閣不信任は正しい」とはいえない。
ついでながら、コラムで「内閣不信任にはガバナンスの動機があった」と書かれているが、ガバナンス(governance管理、統治)の動機とは、凡人には判りにくい妙な表現だ。
今日の一句「悲しくも 腐った頭に 青嵐」