科学技術は負けない

ジャーナリストによる科学者へのバッシングが目につくなか、かなり前の朝日新聞であるが、前東大総長の小宮山宏氏へのインタビュー記事を読み直した。原発事故は科学技術の限界ではとの問いかけに、「困難に思えても問題そのものを明確につかめれば答えを出せる」との小宮山氏の発言は心強い。
現代社会にエネルギーが必須である」「温暖化対策は合意が出来ている」「原子力自然エネルギーの実用化までのつなぎだ」、小宮山氏の指摘しているこれらの前提をもとに議論されることが望まれるが、小宮山氏の懸念しているように、この国は具体的な根拠に基づく議論がなさすぎる。
6月9日の朝日新聞の経済気象台なるコラムで『日々の気象予測すら覚束ない科学水準で、地球全体の温暖化現象が、人類が起因の二酸化炭素排出とは言い難い』『良心と信念をかけている科学者が何人いるか疑問だ』と辛らつなコメントが掲載されていた。小宮山氏の言う「大人の議論が欠けている」と思わざるを得ない。
今日の一句「科学者を 奮い立たせる 青嵐」