映画とコンサート

昨日は、久しぶりに映画館で映画を見て、夜はコンサートと盛り沢山な日曜日となった。
映画は岩波ホールでの「遥かなるふるさと 旅順・大連」で、映画作家である羽田澄子さんが生まれ育った故郷を訪ねた際のドキュメンタリー映画である。旅順・大連へは昨年の春、北九州大学の先生がガイドを務めるツアーで出かけた事、そして研究生として受け入れた学生が大連からの留学生であったことから、妙に身近に感じるようになっていた。
満州事変から太平洋戦争に至る大変な時代を羽田さんは旅順・大連で過ごされている。大きく変貌したとはいえ、旅順では住んでいた家がまだ残されており、記憶の糸をたぐる事ができた事が、このドキュメンタリー映画を意味のあるものにしている。関西生まれの関西育ちの自らを振り返ってみるに、戦後の復興の時代の面影は今の関西にはもう残っておらず、羽田さん以上に私の故郷は遠い存在である。
コンサートは東京福島県人会が主催するチャリティー企画であるが、出演者のレベルが高く素晴らしいバスとアルト、そしてピアノを楽しむ事が出来た。このようなコンサートへの参加が復興支援につながるならば、何度でも参加したいものである。コンサート会場は有楽町駅前の電気ビル20階、窓から見下ろすと、広いと思っていた丸の内仲通りがまるでビルの谷間の路地裏のようだ。ここ丸の内は、大学を出て最初に勤めた思い出の場所でもある。お堀端の緑が梅雨空にしっとりときれいだ。
今日の一句「過ぎし日の 記憶をたどる 青嵐(あおあらし)」