普天間棚上げ

「日米同盟深化」なる言葉が頻繁に使われるようになり、誰しもが懸念していたことではあるが、その代償に普天間問題は先送りされるようだ。今日の朝刊の記事によると「事実上先送りすることで日米が一致」とある。アメリカにとっては、普天間が現状のままでも何ら困らない訳だから、先送りは民主党政権への配慮でもあろう。
先日の朝日新聞のオピニオン欄でイギリスのヒューズ教授は「米への異議や拒否恐れるな」と進言し、「沖縄県民が基地を受け入れないという政治的現実を認めようとせず、現在の日米同盟を維持し、安全保障を米国に依存するしかない」との思い込みに問題があると指摘している。全く同感である。
キャンベル米国務次官補はアメリカの国防費削減に対応する応分の負担を日本に求めると発言をしている。そして今回の日米防衛相会談でゲーツ米国防長官はグアムのインフラ整備のための日本側からの低利融資に謝意を表したそうだ。日本の為政者は、普天間問題の解決ができないばかりか、アメリカへの朝貢外交から抜け出せないように思える。先送りで済ますことのできるのは、時間の経過が問題を解決してくれる場合のみである。
沖縄の現状をただ長引かせるだけの政治は、日本国民にとってまことに不幸なことだ。