ポインセチアと葉ボタン

12月の玄関を飾る鉢物と言えば、ポインセチアと葉ボタンが定番のようだ。
真っ赤な葉(厳密には、花でも葉でもない「苞」という部分)をもつポインセチアは我が家の玄関でも華やかなクリスマスの彩りを添えている。アメリカの駐メキシコ大使であったポインセット氏がメキシコで発見したことからこの名がついたそうだが、原産国メキシコでは「ノーチェ・ブエナ(聖夜)」と呼ばれるそうだから、メキシコでもクリスマスに飾られているのであろう。
「身のどこかユダをりポインセチアの緋」渡辺祥子
葉ボタンの方は、縁起のいい紅白2色の園芸植物として江戸中期ごろから広まっていたそうだ。赤いアントシアニン色素と葉緑素、そして葉緑素が冬の寒さで抜けることによるさまざまな組み合わせが美しく、牡丹の花に見立てたのもうなずける。落葉の後、寒々とした冬の庭に彩りを添える葉ボタンはお正月には欠かせない。
「渦葉牡丹虎が笑へばこんな貌」門馬貴美子
12月も半ば、もうすぐ虎から兎へ引き継がれる。