全国民60歳定年制

先日の新聞投書欄に「全国民60歳定年制」の提案があった。若い人の就職が難しい現在、天下りや保身を図る輩に一切の収入を断とうとの意見である。これはあまりに過激で、投書された方も「60歳超社会主義国家の構想」と定義されておられ現実的ではない。
しかし、天下りやいつまでも役職にしがみつく高齢者は、幾ら能力や体力があるとしても60歳になれば後進に道を譲り、高齢者ならではの新たな仕事に挑戦してもらう制度があればよいとも思う。多くの企業では最近、役職定年制が実施されているし、シニア世代が今までの知識や経験を生かして社会貢献を果たしている事例は多くみられる。斬新なベンチャー企業は倒産のリスクも大きいが、年金に手が届くシニア世代ならダメ元で挑戦できよう。20歳代までは学びの時代、60歳までは家族のために働く時代、そしてその後は、社会への還元、もしくは夢の実現の時代と位置付ければ、定年も待ちに待った人生の新たな出発点ともなろう。
平均寿命を想定すれば、定年後もまだまだひと仕事できそうだ。財源問題を抱える年金制度のあり方ともども、世代の役割分担を考えてみてはどうだろうか。