遺伝子組み換え生物

生物多様性条約の議論の中で、遺伝子組み換え生物についていろいろ問題点が指摘されているが、主な点は作物としての安全性、既存生物種への浸食(生態系への影響)などへの懸念である。しかし、そもそも遺伝子組み換え技術は人為的な品種改良とどこが異なるのだろうか。生態系の変化は外来種が日本の気候風土に適合すれば起こることであり、遺伝子組み換え生物のみの問題ではない。
遺伝子組み換え技術を問題視している人は、SF的想像をたくましくし、遺伝子の操作を過大に評価しているがために不安に感じているのかもしれない。しかし、人類は昔から我々にとって都合のいいように生物をコントロールしてきた。即ち家畜であれ農作物であれ、効率的な生産ができ収量の多いもの、美味しもの、栄養価の高いもの等を基準にして取捨選択してきた。遺伝子組み換え技術はこの延長線上にある技術である。
遺伝子組み換え技術を封印するのではなく、うまく活用できるよう知恵を働かせるべきであろう。