3年新卒

景気は若干上向きと報じられているが、新卒の就職は相変わらずの厳しさだ。親のすねをかじり、奨学金なる借金を背負った上で、まじめに勉強してきても職に就けないとなると可哀そうだ。しかし、このような状況を招いた遠因は、従来からの「新卒一括採用」なる企業の人事政策が変化していることに大学も学生も対応できていないということであろう。「卒業後3年は新卒扱い」なる提案も従来からの「新卒一括採用」の延長線での思いつきと言えよう。
外資系の社長をしていた知人は、「新卒は採らない。すべて必要な部署に必要な人をその都度採用する」と宣言していたのを思い出した。新卒一括採用は定年までその会社で働き続けることとセットで考えられているが、今では転職はそれほど珍しい事ではない。
希望する職に就きたければ、それに見合った能力、知識を身につけるしかない。学卒の肩書があるかどうかはあまり意味が無いのだから、大学で高度な知識を学びたいと思うのでなければ、専門学校で資格を取るか、早々に社会に出て実務に精通する方が良いと言えよう。大学と冠していても講義内容は専門学校化し、国家資格を得るための受験予備校化した学校も増えてきた。