観光立国

秋らしいさわやかな陽ざしの朝、久しぶりにプランターの土を入れ替え、混みあった球根を植え直す。庭仕事にはベストシーズンであるが、まだ藪蚊も元気なのがうっとうしい。
1か月ほど前の日経新聞に「観光立国」実現のためのMICE(Meeting, Incentive, Convention, Exhibition)の重要性について特集記事が出ていた。この記事では品川・高輪地区が取り上げられていたが、鎌倉、逗子、葉山、横須賀といった三浦半島相模湾沿岸部もMICEを企画し開催する場所として最適であろう。
この地域は温暖な気候風土に恵まれており、葉山御用邸に象徴されるように昔から別荘地、保養地とされてきた。近年多くの住宅地が開発され、マンションも増えてきたが、小中学校の児童・生徒数の減少からもわかる通り、住民の高齢化が著しく、地域の福利厚生や環境維持を考えた場合、その裏付けとなる財源に乏しい。
そこで、この環境を生かして観光での地域振興を是非検討してもらいたいものだ。既に湘南国際村では多くの企業の研修センターや宿泊施設、大学院大学が存在し、相模湾に面した美しい海岸と絵になる富士山の遠望、そして近くには海外にもよく知られた古都鎌倉がある。交通面でも逗子駅から東京駅まではちょうど1時間の距離であり、京急を使えば羽田空港へも乗り換えなしで行ける。加えて横浜・横須賀道路と湾岸道路との接続により車での横浜、羽田空港、東京、そして成田空港へも高速道路が接続している。即ち、環境面、文化面、施設面、交通網とすべての点でこの地域はMICEの誘致に適していると言える。
海外からの観光客呼び込みに向けて、この地域の市や町によるMICE推進の為の共同プロジェクトの立ち上げが望まれる。