御巣鷹山日航機墜落事件の記事を読んで

今日の朝日新聞は25年前の御巣鷹山への日航機墜落の記事が大きく紙面を割いている。
コントロールの利かなくなった飛行機を必死に操り最後に力尽きて520名もの死者を出した大事件である。一瞬の墜落事故と異なり異常が感知されてから死の恐怖に怯えつつ30分余りも飛行を続けたこと、地上からはどうすることもできなかった無念さが我々の記憶に深く刻まれた事件である。
この事件に関して「航空会社の経営はどこも厳しく、安全よりコスト削減ばかりが取りさたされるのが気がかりだ」と記事は結んでいる。しかし本当の原因はアメリボーイング社の不適切な圧力隔壁の修理、あるいはボーイング747型機の気密安全の構造上の問題にあったのではなかったか。日本のジャーナリストがこのことにあまり関心を示さないのはなぜだろうか? 運転ミスを棚に上げてトヨタ車の構造上・設計上の問題を挙げつらうアメリカ人と比較し、後味の悪い思いが残る。