ブランコ

お天気が落ち着かない。日曜日に予定されていたお花見会も流れた。まだ桜はしっかり枝にへばり付いているが、今日も雨風に打たれてそろそろ散り果てそうだ。
今月の俳句会の兼題は「ブランコ」だそうだ。ポルトガルから来たカタカナ言葉のブランコが春の季語になるとは思いがけなかったが、中国には鞦韆(しゅうせん)と呼ばれるブランコに似た遊具があり、宮廷の女たちが冬至から105日後の寒食の日(風雨が激しいので火の使用が禁じられた日)に楽しんだとあり、このことからブランコが春の季語になったそうだ。雪国では春にならないと子供達は公園のブランコで遊べないだろうから、公園の遊具は春のシンボルだとも言えようか。
とはいえわれわれの感覚ではブランコには季節感がない。手元の俳句歳時記をひも解いても「ブランコ」など載ってはいない。しかし、日本では、古くは「ゆさはり」と呼ばれ、「ふらここ」「ふらんど」などとも称されてきたそうだ。ブランコと言う言葉に、古来からの表現が駆逐されてしまったようだ。いろいろ学ぶことの多い季語であるが、ブランコを織り込んだ季節感のある俳句を作るとなると難しい。
今日の一句「ブランコを ゆさゆさゆすって 孫の笑み」