風刺の節操

さしもの晴天続きもこの辺で一雨きそうだ。明け方の冷え込みも雲の広がった夕方は比較的暖かであったが、明日は冷雨の一日との予報である。
フランスでの風刺画に端を発したテロ事件も考えてみれば奥が深い問題を秘めている。相手をコケにして喜ぶのは言論の自由で許されるとの万人の了解が得られている訳でもない。コケにされた方は頭にくるであろうから、風刺だとしても一定の限度、節操があるはずだ。しかし、どこでその線引きをするかとなると立場の違いで大きく異なる。気の利いた機知に富む川柳もあれば、どぎつく相手を愚弄するだけのヘイト・スピーチもある。
同様に「テロはけしからん」というは易しだが、テロの線引きも難しい。伊藤博文を暗殺した安重根は、韓国では、「人類の幸福と未来 民族の英雄 安重根義士」とされている。
客観的な判断基準を設定することは難しい。相互理解と相手への思いやり、寛容の精神が大切であろうが、人類が大人の対応をできるようになるのはまだまだ先のことのようだ。
今日の一句「枯野原 澄みたる空に 星が降る」