「海辺のカフカ」

村上春樹の「海辺のカフカ」上下巻を読了した。先月赤坂ACTシアターでの観劇では、予備知識もなく、セリフもよく聞こえずで舞台の変わった演出に感心するだけで終わったが、やっと村上ワールドの一端を垣間見ることができた。さすがにノーベル賞候補と言われるだけあって、発想の奇抜さと文章力、そして膨大な読書量に裏打ちされて構築された村上哲学には引き込まれるものがある。
それに比べると日本国の最高責任者と自認する首相の美辞麗句の薄っぺらいことが気になるが、本音と建前をうまく使い分けて、世論を煙に巻くことには成功している。本音をさらけ出せば、虎視眈々と狙うマスコミにたたかれるわけだから、優れた政治家だともいえようか。
暑い日差しを浴びて、我が家の庭でもしばしばトカゲを見かけるようになった。20㎝にも満たない輩だから怖くはないが、よくよく見れば恐竜のミニチュアのような顔付である。この日差し、トカゲも打ち水を喜んでいることであろう。
今日の一句「真夏日に トカゲもうだる 日差しかな」