吉田調書

福島第一原発の職員の9割が所長の指示に従わず避難していたことが、吉田調書から明らかになったそうだ。沈没寸前の船同様、死ぬかもしれないとならば逃げ出したくもなろう。大量被ばくするかもしれない事態では、職員が事故現場に留まる事を強制することは難しい。
同様に、集団的自衛権の議論の成り行きでは、自衛隊員が戦闘地域に出動することも想定されているようだが、自衛隊員がお国のために一命を賭して任務にあたるとは考えにくい。
当事者は殉職することを受け入れて勤務している訳ではないから、原発の再稼働においても集団的自衛権の行使においても、無人機やら災害ロボットやら、人は安全な場所に居て操作できる技術の開発にもっと注力されるべきであろう。愛社精神やら愛国心を説くだけでは安全は担保されない。
今月の俳句会の兼題は蜥蜴(トカゲ)だそうだ。「蜥蜴出ず」とすると冬眠から覚めた蜥蜴の事となり早春をイメージするが、その辺でよく見かけるのは梅雨の頃で夏の季語となる。
今日の一句「雨にぬれ じっと見返す 蜥蜴かな」