清貧の思想

やっと中野孝次の「清貧の思想」を読み終えた。自然に対する畏敬の念は八百万の神を信奉する神道とも共通し、質素な生活の中に安らぎを感じる点ではクエーカー教徒にも似た一面がある。即ち「清貧の思想」は我々の先祖の作り上げた文化としているが、欧米人にも共感を得る思想でもある。戦後の大きく発展した資本主義社会のもたらす負の側面を考える上で、一つの視点を示していると言えようか。
中野孝次の自伝小説「麦熟るる日に」とその中で触れられていた阿部次郎の「三太郎の日記」を読みたくなった。後者は学生時代に買った本がまだ手元にあるが、印刷が悪く、且つ字が小さいので老眼の今ではなんとも読みにくい。最近話題の電子書籍で出版されているであろうか。
今日の一句「猫柳 わが青春に 重なりて」