恋愛小説

気温が上がらない。向かいの北側の屋根の雪は、今朝はまだ融けていない。しかし、春の厄介者であるスギ花粉は元気に飛び回っているようで、眼が痒く涙が出るようになり、今日からいつもの抗ヒスタミン剤ストナリニ」を服用する。
昔の私の上司だった鴫澤秋生氏の小説「モデル」を読み終えた。初老の男性とロシアから来たクラブで働く若い女性との淡い恋愛ごっこのようなストーリーだが、著者が理系出身のせいか解説のような説明が多い。加えて、若いころから難しい本を読みあさってきた人らしくあまり使われない堅い表現が多く、小説というより著者の社会探訪のような文章である。主人公の女性に対する情感を冷静に細かく表現しているのだが、私の知っている著者自身の独白を読まされているようであった。著者の果敢な挑戦には脱帽である。
今日の一句「スギ花粉 飛び交う季節 実朝忌」