「沈黙の春」再考

目まぐるしく天気が変わる。昨日の晴天がウソのように、今日は冬空だ。今日から近くのスポーツクラブで水泳再開、ランクを下げて中級コースに入会した。泳ぐこともさることながら、仲間との泳いだ後のわいわいガヤガヤの雑談が目的でもある。元気なシニア世代にとっては、新聞のマンガに登場する病院の待合室みたいなものと言えようか。
今日の朝日新聞書評欄に福岡伸一氏が「世界を騙しつづける科学者たち」なる翻訳本の紹介をしていた。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」はDDTによる環境破壊を警告したが、他方DDTの禁止で、結果として多くのアフリカ人がマラリアで亡くなったと反論する人もいる。レイチェルを批判する人の裏には金やイデオロギーが潜んでいると本書では批判しているそうだが、いずれのリスクが大きいと判断するかは立場で異なろう。ベストセラー作家は政治家同様、相手を断罪し一方的な批判を展開する傾向がある。痛快ではあるが、原発安全神話同様、信じると痛い目に会うのは弱者であり庶民である。原発からの脱却は正しい流れだとしても、全てを自然エネルギーに依存することの問題点も検証する必要がある。自然エネルギーの問題点やリスクを踏まえた原発の評価にも耳を傾けた上で我々は結論を得なければならないと思うが、願わくば「懐疑の売人」なるレッテルを貼らないで欲しい。
今日の一句「放射能 輝き増すか 黄水仙