原発の負担公平に

「首都圏の人が必要とする電力を東北の町の原発から供給するのは不公平だ。原発を支持するなら首都圏に作れ」との意見が新聞の声欄に載っていた。何故東北に原発が集中するのかは、4月28日付の朝日新聞小熊英二氏が解説している。即ち、当時の東北地方における過疎化と高齢化による地域の衰退が原発を誘致したと言えよう。結果として、農産物や水産物と同様に東北は東京への電力の供給地としての役割を果たすことになった。「地産地消」を推し進めるなら、大都市に集中している人口の地方分散をどう図るかを議論する必要があろう。間近に迫った関東大地震を考えるなら、首都機能の移転・分散化を含めて都市と地方のこれからのあるべき姿を改めて考えてみることは有意義であろう。