東海道と神奈川宿

かながわコミュニティー・カレッジの講習の一環で、横浜市歴史博物館都筑区)で学芸員の方から「東海道の歴史」、「神奈川開港」の話を聞く機会を得た。神奈川県内に居を定めてもう30年以上になるが、改めて地元の歴史を学ぶことができた。
東海道は東西の通商路として自然発生的に成立したものかと思いこんでいたが、軍事行動や将軍らの通行を意識して江戸幕府の公道として作られたそうだ。そう言われれば、宿場町が参勤交代や幕府の交通規制に沿って人為的に配置されていることも頷ける。
ペリー来航による開国の後、最初に各国の領事館がおかれたのが神奈川宿だそうである。この宿場町に住む佐藤汶栖が記した日記を紹介してもらったが、当時の外国人に対する好奇心と違和感(=攘夷の気持ち)とが生々しく書かれている。
車の喧騒とさびれた商店街がつづく旧東海道を歩いてみたいとは思わないが、歴史の痕跡をとどめた場所を訪ね、日本の近代史を検証してみるのは面白そうだ。