旅館数ピーク時の6割

先日の新聞記事によると日本旅館の数が年々減っているそうだ。昔は修学旅行といえば旅館に宿泊したものだが、最近はホテルを使うことも多くなってきたようだし、宴会を伴う社員旅行などの団体旅行も減ってきているようだ。いくら老舗の格式ある旅館だとしても、ベッドや洋式トイレに慣れた若い人からは設備の洋風化が迫られていよう。
日本旅館は日本の文化体験ができる場として、訪日外国人の興味を集めているそうで、「いかに海外からの旅行客を誘致できるかが、旅館の復権のカギとなろう」と記事は締めくくっている。
私見を付け加えれば、海外からの旅行客を増やしたければ、設備の改善のみならず食事のメニューも一考を要するように思う。多くの日本旅館は手の込んだ日本料理を提供する割烹旅館を売りにしているが、連泊しようとすると同じような食事を毎晩提供されることになる。ゆっくり滞在してもらう、あるいは各地の日本旅館を泊まり歩いてもらう上で、飽きのこない多様な食事メニューの工夫がまだ不十分なように思う。日本旅館復権に向けてのさらなる取り組みは、今後の日本の観光立国実現のためにも重要であろう。