かすかな秋の気配

日中は相変わらずの猛暑だが、さわやかな朝の風と眩しい空の青、雲の広がりにかすかに秋の訪れを感じる。新聞を取りに外に出ると最後のあがきのように木々の間から飛びだしてきた蝉がぶつかってくる。そして夕方、自宅近くの通りから薄く広がった夕焼け雲の中に思いがけず浮かび上がった富士山の黒いシルエット、明らかに秋の空だ。
息子に誘われ、母と親子三代で称名寺に隣接する神奈川県立金沢文庫80年企画展を見に行ってきた。80年前に伊藤博文により再建されて以来の金沢文庫の歴史展は、母の幼少時の記憶の中にある金沢八景や夏島あたりの景観とともに興味深いものであった。