2010-11-18から1日間の記事一覧

青島幸男「人間万事塞翁が丙午」

久しぶりに面白い小説を読んだ。東京の下町の風情を、なめらかな掛け合いの中に映し出した女将さんの奮闘記であるが、昭和の激動の中にたくましく生き抜く庶民の目から書き記した歴史書でもある。当時の商い人たちの日常における多彩な表現が、まるで歯切れ…