宇宙論

吉田伸夫氏の書いた「宇宙に果てはあるか」(新潮選書)を読んだ。神保町の古本屋街で衝動的に購入した本であったが、素人向けにわかりやすく書かれている。地球上で3次元の世界にどっぷりつかっている輩には、感覚的に時間や距離、質量とエネルギーなどの相関がそれぞれ別々のファクターとしてしか理解できていない。丁度水平線を眺めている時に地球は丸いということがどうしても実感できないのと同じで、わかりやすい本を読んだからとて理解したとは言い難い。
高度の文明をもつ異星との交信を可能にするための文明の継続期間は1000年〜1000x1000年くらい続かないと難しいそうだ。著者は100年前に高度の技術を取得した人類は、核戦争や環境破壊で数百年以内に衰退するであろうと予測し、宇宙規模での交信は夢物語だとしている。宇宙科学の確率論的議論の中に、人類の愚かさもファクターとして加えられており、壮大な宇宙論の中に地球の現実が反映されていることを知った。
今日の一句「噴水の 飽くなき水玉 躍りおり」