テロという言葉

パリで痛ましい事件が起きたが、テロという言葉が安易に使われていることにいささか抵抗を感じている。
反アサドの立場に立てばシリアにおける反政府軍兵士は解放戦士だが、アサド政権から見ればテロリスト集団ということになろう。マハトマ・ガンディーの非暴力不服従運動をイギリス政府はテロリズムと位置づけていたそうだし、ネルソン・マンデラも「テロリスト」と呼ばれていたそうだ。即ち、テロリズムとのレッテルを張るのは、利害が対立する相手の行動が非難されるべき行為だとのイメージを与えようとしているに過ぎない。「非国民」なるレッテルと同様、テロリズムという言葉に普遍性はなく、その言葉を使用する側の言いがかりだとも言えよう。
テロを撲滅すると称して無差別な空爆などが正当化されたとしても、一般市民を巻き込む悲劇を防ぐことは難しい。「テロ」という言葉で思考停止にならぬよう心したい。
今日の一句「おでん鍋 口角泡を 飛ばしおり」