畳文化

インターネットに近年の「畳文化への危機」なる記事があった。畳離れが加速し、和室が減っていく現状を危機として捉えたものだが、記事を読むと畳業者やイグサ生産農家の愚痴にも似たコメントばかりである。すでに畳表の8割は中国などからの輸入に頼っている現状からすれば、畳復権は厳しい。
畳離れをくい止める手立てとして畳を日本の伝統文化としてキャンペーンしようとしているが、前提としての「日本人はやはりイグサの香りに懐かしさを感じ、畳を忘れることができないのではないか」との業界関係者の思いは、今の時代を理解していない。スマートフォンの時代に黒電話への郷愁を持ち出すようなものである。畳文化をいうだけなら、博物館等に残すことに甘んずることになる。
畳の復権は、現代社会に対応した大胆な発想の転換を図らない限り無理であろう。斬新な知恵が求められている。
今日の一句「初つ夏に 見上げる柿の木 若葉萌え」