豊かさの実感

台風並みの暴風雨との予報であったが、今朝8時頃にはそれまでの厚い雲をベールを脱ぐようにして青空が広がった。もっとも新芽を出した木々の枝を大きく揺さぶる強い風が、終日吹きまくってはいた。
4月3日の朝日新聞に阪大の大竹文雄教授が『「豊かなのに苦しい」わけは』と題して、興味深い論評をしていた。大竹教授は、技術革新(定型的な仕事のコンピューター化)とグローバル化新興国の台頭:高学歴労働者の増加)が、我々の人的資本価値の相対的な低下をもたらしており、現状の豊かさを維持するだけでも相当な努力が必要だと指摘していた。
「日本は十分豊かな社会なのだから、経済成長ではなく幸福を目指すべきだ」としても、彼の言うように「従来と異なる水準、異なる質の能力を身につけていく必要」がありそうだ。
「豊かさや幸せを実感できる」ようにするには、経済成長を否定するだけでは済まず、「かなりの努力と覚悟が求められている」との指摘は心すべきである。
今日の一句「啄木忌 またもや吹くか 春一番