考古学蔵書英国に流出

学会の所有する資料の保管が資金的に耐えられず英国の研究所に寄贈することになったそうだ。この方針に会員から反発の声が出ているという。しかし海外流出とはいえ、資料の閲覧ができなくなるわけではない。むしろ永年倉庫の隅に梱包され活用されないまま保管料を払い続けてきた実態の方が問題であろう。死蔵されている資料が海外に持ち出される事が「文化資産の損失」となるのだろうか。
同様な話として、頭脳の海外流出がよく話題になる。この場合もニュアンスとして優秀な科学者が経済的な理由、あるいはより良い研究環境を求めて海外に出ていくことは日本にとって損失だと捉えているようだが果たしてそうだろうか。
学問の世界に国境はない。資料であれ学者であれより良い環境下に置かれるべきであり、日本の大学や研究機関の置かれている現状を見れば「海外放出は学問的危機だ」などとどうして言えようか。